物事の受け止め方で人生は大きく変わっていきます

人間は「良い出来事が起こった」「悪い出来事が起こった」と一喜一憂しますが、そもそも起こった出来事というのは【単なる事実】です。まずはそれを肝に銘じて下さい。大事なポイントなのでもう一度言います。【起こった出来事は単なる事実。そこに良いも悪いもありません】

さてこれってどういう事なのでしょうか?

心理テスト あなたの答えは?

お地蔵様

TVでこんな心理テストが紹介されていました。
「目の前に突然お地蔵様が現れたら、あなたはどう思う?」
私は「お地蔵様が吉報を持ってきた!何か私を助けにきてくれたに違いない!」と思いました。ですが、一緒にテレビを観ていた私の娘は「え?!ヤダ!キモ!」と言い放ったのです。私も娘も、お互いがお互いの意見に「そんな風に思うの?!」と衝撃を受けました。
これは、【お地蔵様が現れた】という事実に、自分がどんな意味を付けるのかで、その事実が良い事にも悪い事にもなり得る、という分かり易い例です。つまり私たち人間は、起こった【事実】に対して、「良い」「悪い」と自分自身で勝手に意味を付けているだけなんです。

そしてもっと驚いたのが、テレビの中の皆さんも「怖い、気持ち悪い」というような、不安や恐怖を感じるという意見が大多数だった事です。
まあ、人間が生きていくためには、不安や恐怖といった感情を感じないと危険から身を守る事が出来ませんので、そもそも人間は不安や恐怖を感じやすく出来ているのです。ですから、脳には【不安・恐怖の神経回路】というものがちゃんとあります。目の前に突然お地蔵様が現れて「怖い、気持ち悪い」と思うという事は、ある意味正しい反応なのですね。

ですが、怒った事実に対していつもいつも不安や恐怖を感じていると、それが強いストレスとなってこの神経回路が過剰に働き、メンタル不調を発症してしまうことがしばしばあります。想像してみて下さい。何が起こっても、不安や恐怖を強く感じながら毎日生活していくことの苦痛…辛いですよね。

職場でのケースその1

内定取り消し

「訳あって、会社からリストラを宣告されてしまいました。だけどスキルアップで転職しようかと、以前から悩んでいたんです。なかなか一歩が踏み出せなくてうだうだ考えていたんですけど、リストラが背中を押してくれました。今思うと良かったです。」

リストラは一見悪い出来事のように思えますが、受け止め方を変えるとむしろ良い出来事になるという例です。

職場でのケースその2

「ずっと指導してきた私の部下が、昇進出来ず異動になり落ち込んでいます。私の指導が足りなかったせいです。落ち込む部下を見ていられないし、何て声を掛けていいかも分かりません。部下に申し訳ないです。」

とても心優しい上司ですね。それは良しとして、
【指導してきた自分の部下が昇進できず他部署へ異動】という事実に、この上司は悪い意味を付けてしまっていますが、見方を変えるとこんな意味付けをする事は出来ませんか?
「会社はこの部下を、会社の将来を担う人材として高く評価している。だから先を見据えた上で、色んな業務を経験させてから昇進させようと考えている。」
このように捉えたら、落ち込む部下に掛ける言葉も、部下の仕事に対する今後のモチベーションも、大きく変わってくるでしょう。

家庭でのケースその1

「夫が浮気を繰り返します。何度話し合ってもダメで。どうして私ばっかりこんな目に合うんでしょうか?夫は何を考えているんでしょうか?どうしたら夫は浮気をやめてくれるんでしょうか?」

この後、この女性はカウンセリングを通して「夫の浮気は己自身を振り返ろというサインに違いない!」と気付き、徹底的に自分自身を見つめ直し(夫の事は一旦置いておいて)、猛勉強して国家資格を取り、離婚して起業。イキイキと働いています。この期間なんと4年。「それもこれも、元夫の浮気癖のお陰です!」と笑います。パートナーの浮気癖さえ、捉え方によっては良い出来事になるんです。

家庭でのケースその2

不登校女子

シングルマザーの娘さんです。中学校3年間を不登校で過ごしました。
「中学に入ってすぐ、娘が学校に行かなくなって、聞いても理由が分からないし、病院にも通ったけどどうにもならなくて。私の方が仕事で先に自宅を出るんですけど、学校の先生から『今日も登校してません』って毎日電話がかかってくるし、それも辛くて。」
「だけど正直、私は子どもを食べさせていく生活費を稼ぐのに精一杯で、朝から晩まで必死で働いていて、娘の不登校なんかどうでも良かったんです。だからある日『もういいや。これからずっと娘と2人で生きていこう。私が一生懸命頑張って、出来るだけのものを娘に残そう。それでもし私が先に死んで、娘が一人で生きられなくなっても、それは娘の責任。』って、腹をくくったんです。」
「で、『家に居ていいから家事をやって。ママを助けて。』って娘にお願いして、家事を全部やって貰いました。掃除・洗濯・料理全てです。私が朝早くから夜遅くまで仕事をしてヘロヘロで帰ったら、娘がご飯を作ってくれてるんです。こんな幸せな事ってあります?娘の不登校が、私を救ってくれたんです。」

【不登校】という事実が、お母さんの捉え方によって問題にならなかったケースですね。いま、この娘さんは大学生です。3年間の不登校期間に培ってきた家事能力を活かし(家事はマルチタスクですからね)、勉強にサークルにバイトにと、元気に過ごしています。

ここであなた自身を振り返ってみましょう

日々【起こった事実】に対して自分がどんな意味を付けているのか、ちょっと考えてみて下さい。大体、良い意味を付けがちな人は何が起こっても良い意味を付けるし、悪い意味を付けがちな人は何が起こっても悪い意味を付けがちです。これをあなたの【思い癖】と言います。【思い癖】=【事実の捉え方】です。
生きていると、毎日色んな物事が起きます。

通勤電車が止まって会社に大遅刻
出かけようとしたら大雨
子どもが言う事をきかない
病気になった 
買おうと思っていた商品が売り切れ 
上司に怒られた

等々。どれも一見、悪い意味を付けがちな事実です。だけど「ちょっと待てよ」とストップをかけてみて下さい。そして思い出して下さい。

【起こった出来事は単なる事実。そこに良いも悪いもありません】
【私たち人間は、起こった事実に対して「良い」「悪い」と自分で勝手に意味を付けているだけです】

その事実には、本当に悪い意味しかないのでしょうか?良い意味はありませんか?
そう捉え直してみたら、もっと楽な気持ちで生きられるかもしれませんね。

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