【ご相談】男性上司の仕事のやり方にイライラして仕事が手につきません
初めまして。アラサーの会社員Nです。
相談内容は、会社の男性上司の仕事のやり方にイライラして、自分の仕事が手につかないという事です。
上司は「結果を出せば、結果までの道のりは個人がそれぞれのやり方で自由にやれば良い」というタイプ。ですが私は「上司が目標を指し示して、そこに向かってみんなで力を合わせながら、上司がみんなをまとめて進んで行くのが良い」というタイプです。
上司のやり方のせいで、部内でコミュニケーションを取る事もなく、みんなが黙々とそれぞれの仕事をしていて、分からないことも気軽に聞けません。上司にこういうやり方をして欲しいと話してもみましたが、何も変わらずです。
どんどん気持ちが落ち込み、色んな本を読んで「もしかしたら、大嫌いな父を上司に投影しているのでは?」と気付きました。そこから父に対してのワークをやってみたのですが、やはり上司は何も変わらず、イライラがおさまらず気持ちも落ち込んできました。
こういう場合、どうしたら良いのでしょうか?
※
世の中には様々なリーダーシップ論がありますが、Nさんの上司のようなやり方もひとつのリーダーシップの在り方で、決して間違いではありません。そして同じように、Nさんが考える上司像も、間違いではありません。
なので、お互いに「上司だったらこうすべきだ!」と正しさを主張したところで、そこには正しさの争いが生まれるだけで、何の解決にもならないんですね。
こういう場合、
「どうして私は上司のやり方が嫌だと思っているんだろう?」
っていう風に、上司ではなく自分の心の中をみていくのが良いのです。
上司のやり方は、良く言えば個人を尊重して自由を許し、悪く言えば部下を放置している、といえます。そこでNさんのように
「上司なのに部下を放置するなんておかしい!」と怒る人も居れば
「やったー!自分の自由に出来る!」と喜ぶ人も居るんです。
以前、Nさんと同じような相談を友人にされた事があるのですが、
「自由にやらせてくれるなんていい上司じゃん!羨ましい!」と言ったところ
「あのね、そう思うのは仕事が出来て、自分に自信がある人なの!私みたいな仕事が出来ない人は、放置されたら困るの!」
と、友人に散々怒られた事がありました…。
という訳でNさん、
「私は仕事が出来ない」
と、強く思っていませんか?もしくは、私は仕事が出来ないと思わされるような出来事が、過去にありませんでしたか?だったらここで、
「私は仕事が出来ない。でもしょうがない。それが今の私なんだし。」
って、腹をくくってしまいましょう。仕事が出来ない自分を受け入れるんです。
で、仕事が出来ないなら出来ないでいいんです。「出来ない」と素直に上司に相談すれば良いし、分からない事は何度でも聞けばいいんです。それが仕事に責任を持つという事です。
>みんなが黙々とそれぞれの仕事をしていて、分からないことも気軽に聞けません
っていうのは、Nさんが勝手に思っている事で「聞くな」と言われた訳ではないんですよね。Nさんの言葉の裏には
「分からない事を聞いて、出来ないやつだと思われたらどうしよう」
「相手を嫌な気持ちにさせたらどうしよう」
というような不安が見えます。その不安もよく分かります。実際、Nさんが分からない事を聞くことで、相手が嫌な気持ちになるかもしれません。ですがもしかしたら、「一生懸命頑張ってるな」と思われるかもしれません。なんにせよ、相手がどう思うかは相手の自由なので、Nさんの問題ではありません。
となればNさんは、勇気を出して一歩踏み出して、いま自分が出来ることをやれるとこまでとりあえずやってみる。そして出来ないところが出てきたら、素直に上司や同僚に助けを求める。
「上司のやり方がおかしいから私は出来ない!」と主張するのではなくです。
さて、Nさんが上司との関係性の問題からお父様との問題にたどり着かれたのは、とても素晴らしいことです。それはNさんが「自分で変わろうとする力」「自分で何とかしようとする力」をしっかり持っているということでして、これをトランスフォーマンスといいます。まずは「私にはそういう力があるんだ」と自分で認めてあげましょう。
お父さんとの関係で何があったのかは、ちゃんとお聞きしてしてみないと分かりませんが、>大嫌いな父
と書かれてあるので、おそらくNさんが幼い頃から、お父さんに嫌な思いをさせられてきたのでしょう。それがもし、強いお父さん・怖いお父さんに「自由を抑えつけられて支配されてきました」という事であれば、
「自由に振舞うと怒られる」=「自由に振舞うのは悪である」
というような価値観を持ってしまいますね。自分でも気付かないうちにです。
そうすると、大人になっていくら上司に「自由にやっていい」と言われても、今までそんな事したこともないから戸惑うし自信が無いし、強い抵抗も出てくると思われます。
>父に対してのワークをしてみたのですが、やはり上司は何も変わらず
ということは、どうにもこうにもお父さんを許せないということです。Nさんがお父さんから受けたこころの傷は、それだけ大きいともいえます。ざっくりやられちゃっている訳です。
身体の傷もそうですが、傷が大きいほどその傷が癒やされるには、時間も手間もかかります。中には傷を抱えたまま、ええい!とムリヤリ前に進める猛者もいらっしゃいますが、やっぱりどこかで傷が悪化したりして、前に進めなくなってしまうものです。
これもやはり腹をくくって、時間をかけてこころの傷をきちんと癒やす事に取り組まれるのが良いと思います。数回のワークでは難しいと考えて頂いた方がいいです。
そうやってこころの傷が癒やされてきたら、
「お父さんを許す!」
と決めることです。自分が腹落ちするまで、しっかりと決めるんです。ワークをしても変わらないという事は、まだまだお父さんを許す気持ちになっていないのかもしれません。
また、物事には必ず、良い面と悪い面の両方がありまして、Nさんがお父さんを許せないという事は「お父さんを許せない事で、何らかのメリットがNさんにはある」とも思われます。例えば「お父さんを許したら、仕事が出来ない自分をお父さんのせいに出来なくなる」とかです。一度書き出してみると良いですよ。
そうやって、こころに受けた傷を癒やして、お父さんを許すと強く決めてワークに取り組んでいくと、仕事が出来ない(もしくはそう思い込んでいる)自分も許せるようになり、上司も許せるようになります。そうすると「男性上司の仕事のやり方にイライラして仕事が手につかない。気持ちも落ち込んできた。」というNさんの現状が変わってくるはずです。