あなた方2人の喧嘩は「ドラマを演じるというゲーム」です

私はかつて、何度も何度もパートナーと喧嘩を繰り返してた時代があります。
そして、言い合いをしている最中に、ふと冷静になり気付いたことがあります。

「あれ?
あたし、さっきまで彼を責めてたのに、今度は彼に好きって言ってる。

それで、彼の心理を分析して伝えて、そしたら彼がブチ切れて私を責め出して、それで私もブチ切れて、と思ったら、また好きだと伝えて…。

くるくる役割が変わってるみたい。
ナニこれ。いっつもこのパターン。
まるでドラマの再放送だよ。」


何度も何度も彼と喧嘩を繰り返すのは「ドラマを演じるというゲーム」です。
あなたと彼氏は、そのゲームの参加者なのです。

参加者は

「助けようとする人」

「責める人」

「犠牲者」

この三つの役割を、お互いに何度も入れ替わりながら演じています。

そうやって、自分が幸せになることの責任を、お互いに押し付け合っています。
では、どのようにこのゲームが行われるのかを見ていきましょう。

※※※

参加者は彼女と彼氏。
彼氏はとても社交的な人。

人と会ったり喋ったりするのが大好きで、男性女性関係なく付き合いも広い。

飲み会などで女性と仲良くなる機会も多く、過去に何度か女性とLINEしているのを彼女は見たことがあり、浮気されるんじゃないかととても心配です。

さて今日、彼氏は友人たちと飲みに行くとのこと。

「女性が接待するお店には行かないでね!飲み会では私に一度連絡してね!」

彼女は彼氏にお願いしていました。
23時を回りましたが、待てど暮らせど彼氏からの連絡はありません。
彼女から何度もLINEをしましたが、やはり返事はありません。
0時過ぎ、ようやく彼氏から電話があります。

ここでゲーム開始です。

【責める人】彼女:(不安の表情で)こんなに遅くまでどこで飲んでたの?女性と一緒に居るんじゃないかって、すっごく心配したの。連絡くれるって約束したでしょ。どうして連絡してくれなかったの?

【助けようとする人】彼氏:ごめんね。飲み会の最中に別の友人たちから連絡が入って、そっちに移動して飲んでたんだ。部活の大先輩たちだからキミにポチポチLINEする訳にもいかなくて、連絡出来なかったんだよ。いまやっとみんなと別れて、キミに電話したんだ。先輩たちは次の店に行ったけど、俺はちゃんと断って帰ってるよ。ほんとごめん。今度はちゃんと連絡するから。そんなに怒るなよ、ね。

【責める人】彼女:(怒りの表情で)大先輩たちだからって、ちょっとトイレに立って私に連絡するぐらい、出来たでしょう!私がどんなに不安だったか、〇〇くんはちっとも分かってない!前もそうだった。飲み屋の女性と仲良くなって、私と喧嘩したじゃない。もうそんなことはしない、私を不安にはさせない、だからちゃんと連絡入れるって、約束したじゃない!

【犠牲者】彼氏:(悲しみの表情で)女性が居る店では飲んでないし、仲良くなってもいないよ…なんなら一緒に飲んでた先輩に聞いてみてもいいよ。ホントにただ連絡する時間が無かっただけだよ。でもこうやってちゃんと電話してるだろ。次の店だってちゃんと断ったし。あ~あ、何度謝っても許してくれないし、もう俺が何もかも悪いんだよ。俺ってそんなに悪いやつなんだなあって、悲しくなるよ…。

【助けようとする人】彼女:(優しく)〇〇くんが何もかも悪いとか、そういうことを言いたいんじゃなくって。私、〇〇くんのことが大好きだから、他の女性と一緒に居るんじゃないかって心配なの。色々考えてやきもち妬いちゃって、かっとなっちゃった、ごめん。

【責める人】彼氏:(イライラした表情で)勝手にやきもち妬いて、俺ばかり責めて、いつもいつもどこで飲んでたかとか、女性は居ないかとか、説明させられるのはもううんざりなんだよ!今だってせっかく電話してるのに、嬉しそうでもないし怒って文句ばっかりで。俺がどんな思いで電話してるか、なんも分かってないし。結局、ひとっつも俺のことを信用してないんだよな!

【責める人】彼女:(激怒)俺のことを信用してないだって?今まで〇〇くんが信用出来ないことをしてきたからじゃないの!色んな女性と仲良くなって、連絡先交換して。私がどんなに悲しかったか、嫌な思いをしたか、なんにも分かってないのはそっちでしょ!だけどもう他の女性とは仲良くしないって〇〇くんが言うから、許してきたんでしょ。私は今度こそ〇〇くんを信用しようと思って頑張ってるの。だったら〇〇くんも約束守ってよ!信用されるような行動を取ってよ!なんで逆ギレするのよ!

【助けようとする人】彼氏:(なだめようと)うんうん、わかったわかった。今日はもう遅いから、明日直接会って話そう。時間を取るから。ね。

【犠牲者】彼女:(泣きながら)私のことなんてどうでもいいんでしょ。私がどんなに不安だったか、〇〇くんは分かってくれない。私には大事にされる価値なんてないのよ。

【責める人】彼氏:(イライラしながら)もういい加減にしてくれよ!そんなこと、俺は一言だって言ってないだろ!とにかく今日はもう寝かせてくれ!疲れてるんだよ。

【犠牲者】彼女:(泣きながら)ひどい!やっぱり私のことなんてどうでもいいんでしょ。

こうしてゲームは延々と続く。

※※※
こうやって彼女と彼氏は「助けようとする人」「責める人」「犠牲者」この三つの役割をお互いに交代しながら、何時間でもドラマを演じ続けます。

まさに、ドラマを演じるというゲームに夢中になっている状態です。

ドラマの中で、激しく口論したり、怒ったり、優しくしたり、悲しんだりすることで「刺激や興奮」が得られます。
過去、何らかの理由で(主に養育者との感情交流に於いて)自分の感情を押し殺してロボットのように生きてきた人は、この刺激や興奮が必要です。

なぜなら、

「私は感情を持った人間なんだ!人として生きているんだ!」

というような「生きているという実感」を得るためにです。

ですが、ドラマの中で得られる刺激や興奮は、繰り返すほどにとても虚しく、あなた自身の品位を下げるばかり。

自己嫌悪に陥りながら、先の見えない堂々巡りの輪の中で、主演しているようなものです。

ドラマを演じるというゲームを繰り返している事に気付いたら「私は、このゲームをもう降りる!」と決めましょう。
「やだ!まだこのゲームを続けたい!」という思いを自分が持っていることに、気付くことも大事です。

ゲームを降りたあなたは、彼氏に対して次のように対応できます。

彼女:電話ありがとう。遅かったから事故にでもあったのかって心配してたけど、無事で良かった。

彼氏:ごめんね。飲み会の最中に別の友人たちから連絡が入って…

彼女:そっか。私すごく眠いから話は明日ね。おやすみ~。

ポイントは、ドラマを演じるというゲーム開始のベルを、あなたから鳴らさないこと。
演じる気満々で、舞台に立たないこと。
演者として彼のセリフを打ち返さず「あ~言ってんなあ~」と、観客に徹すること。

彼が言い訳を言う前に、ゲーム終了の合図を一言「そっか」。あとは知らんぷりをすること。
彼を責めることで、すまないという罪悪感を持たせないこと。

※※※

ドラマを演じるというゲームを続けることは、莫大なエネルギーを費やします。
ですが、主演ドラマを降りたあなたは、何事もなく平穏です。
もしかしたら、彼と話すことが何もないことに気付くかもしれません。
今までゲームに費やしてきたエネルギーの行き場が無くなり、こころの中が退屈であふれ出すかもしれません。
ですが、それで良いのです。
有り余ったあなたのエネルギーは、これからあなた自身を探求していくことに使いましょう。