人生には100点満点を取らなくてはいけない時がある~だけどそれはいつもじゃない~
人生には「ここぞというとき」が出現します。
それを「100点満点が求められているとき」といいます。
「いま自分には100点満点を取ることが求められている。」という自覚を持ち「よし、やるぞ!」という覚悟で体調を整え、準備をし、万全の体制で臨むとき。いま自分が持っているすべてを、全力でぶつけるときです。
「私はいつも努力しているのに、何故かうまくいかない。」
という自覚のある方。もしかして、いつもしているその努力、80点ではありませんか?
80点の努力を続けるということはとても素晴らしいことで、並大抵の精神力では続きません。ですが、いつもいつも80点の努力を続けていると、100点満点を求められている時でも
「いつも80点で頑張っているんだから、今回はまあ90点ぐらいでいいだろう。」
という態度で臨んでしまい、上手くいかない場合があるのです。
また、
「いついかなるときも100点満点を取らなくてはいけない。」
と思っている完璧主義の方。あなたは60点を取っていれば良いときでさえ、100点満点を取る努力をします。それも大変素晴らしいことです。ですが、100点満点を取るために努力し続けているので疲れてしまい、肝心の100点満点を取らなくていけない「ここぞというとき」に60点しか取れなくて、うまくいかなかったりしませんか?
それに、自分が100点満点を取る努力を続けている分、他人にも常に100点満点を取ることを要求してしまい、人間関係に問題を抱えたりしていませんか?
確かに、人生には「100点満点を取らなくてはいけないとき」が出現します。
だけどそれはほんの数回。
そのほんの数回のここぞというときに、100点満点の全身全霊でぶつかっていけるように、ふだんは50点の自分で、のほほんと過ごすことが大事なのです。
参考文献:こころの処方箋 河合隼雄 著