回避型女性という屈強戦士の恋愛におけるやらかし

過酷な養育環境の中で鍛えに鍛えられた女の子は、
「誰も頼りにならん!」
「信じられるのはあたしだけ!」
「あたしのことはあたしが何とかする!」
と、早いうちから自立します。というか、自立しないと生きていけない環境に置かれていたので、本人の意思関係なく自立せざるを得なかったんですね。ちなみに、
「だってあたし、強くならないと生きてこられなかったんだもん。」
と声に出して言ってみて、こころがぎゅーっとなったり、涙が溢れたりしたら、あなたは超自立した女性である可能性が高いです。そしておそらく、必要以上に自立して回避型女性となっています。

「あたしは親(養育者)から、あたしの要望とか、あたしの感情とか、あたしの存在価値とかいうものを、否定されたり批判されたりして育ちました。それに、子どもらしくわがままを言うとか、誰かに可愛らしく甘えるとか、あたしには許される環境じゃありませんでした。
だから『あたしはどうしたいの?』とか『あたしはいまどんな気持ち?』とかいうものを、ぜんぶ抑え込んで生きてきました。そうしたらいつの間にか、
決して他人には頼らない
あたしの要望や感情は、あたしひとりでどうにかしなくてはいけない
頼れるのはあたし自身だけ
というような想いを、抱えるようになってしまいました。強いあたしになったんです。」

どうでしょう?
ここまで読んで既に泣きそうになっている女性も、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
さて、強くなったあなたは、仕事をバリバリこなすスーパーウーマンへと成長しました。周囲からは、

経験豊富な百戦錬磨に見られがち
恋多き女に見られがち
高嶺の花に見られがち
自信たっぷりに見られがち
怖い女に見られがち
強い女に見られがち
悩みなんかない女に見られがち
近寄りがたいと思われがち
大人の女に見られがち

だけど実は、こころは【ちっちゃい女の子】のままです。見た目からは考えられないぐらい、ピュアで、弱くて、素直で、天真爛漫な女の子。そんな【ちっちゃい女の子】あなたは、両手を握りしめて、口をぎゅっと結んで、泣くのを堪えて、あなたのこころの奥にずっと立ちすくんでいます。

【大人になったあたし】は【ちっちゃい女の子のあたし】が誰からも傷付けられないように、ずっと守っています。だから仮面を被り、頑強な鎧を身につけて、言葉という鋭い武器を持ち、誰にも頼らずたったひとりで戦いながら生きてきました。そうやって出来上がるのが、高い攻撃力と防御力を備えた、回避型女性という屈強戦士です。

闘うために感情を忘れた回避型の女性は、自分の感情を大事に出来ないと同時に、他人の感情も大事に出来ません。感情を大事にするという感覚が、分からないのです。だから、密な人間関係を築くことがとても苦手です。なかでも、恋愛関係というものは蜜な人間関係の最たるものですから、他人と一線を引いて人間関係を築く職場では決して起こさないようなトラブルを、恋愛関係ではやらかしてしまうのが回避型の女性です。彼女たちの恋愛の特徴は、

・分かりやすい素直な愛情表現が、なかなかできません。
・【知り合い】は沢山いるのに【信頼できる人】が誰もいません。彼氏のことも【信頼できない理由】を何だかんだと探しては「ほうらね、やっぱり彼も信頼できない。」と思っています。そしてまた、彼氏を信頼できないという内側が外側に投影されて、彼氏を信頼できなくなるような現実が、実際に起こったりします。
・自分の話をするのが苦手です。なぜなら「あたしの事なんか、誰も知りたいなんて思っていないでしょ。」と思っているからです。
・自分の欲求をあまり見せず、彼氏に合わせがちです。だけど、我慢した欲求は溜まりにたまって突然爆発し「急にどうした?!」と彼氏が驚くことになります。
・自分の事は自分でするから助けはいらない、というスタンスです。彼氏に「助けて~」って可愛くお願いするなんて、もってのほかです。
・こころはピュアなちっちゃい女の子ですから、本当は寂しくて仕方ありません。だけどそんな自分の寂しさを認める事が難しいですし「寂しいからぎゅーっして。」なんて彼氏に伝えるなんて、あり得ません。
・本当は寂しいのに、他人が興味を持って近付こうとすると拒絶してきます。無理やり近付こうとすると撃たれます。高い防御壁もあるので、そこを乗り越えて彼女に近付くのは至難の業です。
・2人の関係性が近くなり過ぎるのが怖いので、関係性が近付きそうになると、無意識のうちに彼氏から嫌われるような言動を取ったりします。
・彼氏が頑張って「よしよし、どうどう。」と暴れ馬をなだめすかすようにしながら関係性を進め、さらに親密になってくると、彼氏の粗探しを始めて、彼氏と距離をおくような言動を取り「あたしが傷付く前に別れる」というパターンを繰り返しがちです。
・彼氏が信頼できる人かどうか、試すような言動をしてしまいます。「ここまでやってもあなたは私を捨てない?どんなことがあっても私を受け入れてくれる?」って感じで、無意識のうちにこれでもかこれでもかと、彼氏を攻撃してしまいます。
・「この人こそ私を受け入れてくれる男性だ!」と認識したら、抑え込んできた自分の感情をここぞとばかりに全開放し、相手に押し付けてしまいます。そこで相手の感情を思いやることができません。

まあ、これらは彼女の中の【ちっちゃい女の子】がわちゃわちゃとやっているだけなので、彼氏の対応としては海よりも広いこころを持って、
「はいはい、ごめんね。辛かったね。頑張ったね。可愛い可愛い。よしよし、ぎゅー。」
で済む話なのです。だけど、ここで問題点がひとつあります。巷では、
「メンタルが豆腐のようによわよわな男がいる=豆腐メンタル男子」
と言われますが、そうではありません。
「どんな男でもメンタルは豆腐」
なんです。これ、回避型の女性の皆さん、肝に銘じて下さい。

あなたとしては【ちっちゃい女の子のあたし】がやっている言動でも、実際は、鍛え上げられて高い攻撃力と防御力を備えた、屈強戦士の言動です。例えば、小指でちょっと彼氏の胸を押してみた、というような「えっ、こんなことぐらいで?」とあなたが思うような言動でも、彼氏の豆腐メンタルを一瞬で潰します。もしくは、豆腐を潰される前に防御壁を築かれるか、敵前逃亡で、彼氏は豆腐を抱えて目の前から居なくなってしまいます。
「こんなことぐらいで逃げんな!出てこんかい!コラ!オマエの器はそんぐらいかい!」
とばかりに、いくら彼氏に訴えたり、防御壁を蹴りつけたりしても、彼氏は怯えるばかりです。これを繰り返すと、せっかくあなたに愛を与えてくれる彼氏なのに、彼氏が耐え切れずに別れを選ぶ、となってしまいます。これが、回避型女性の恋愛におけるやらかしです。

ではどうすれば良いかといいますと、
「どんな男でもあたしが思う以上に弱い。そしてあたしは思った以上に強い。でも本当は寂しがりやの女の子。」
これを自覚します。そして、いったん彼氏のことは置いておいて、あなたのこころの中に居る【ちっちゃい女の子のあたし】に【大人のあたし】がきちんと向き合ってあげましょう。そこで彼女の気持ちを聞いてあげて、彼女の感情を出してあげて、彼女が抱えている傷を癒やしてあげる作業をします。おそらくひとりでは難しいので、カウンセラーを頼ってください。これは、今までひとりで戦ってきたあなたが【他人を頼る】という練習でもあるのです。

1件のコメント

  • 日本人

    会社の女性に居る。
    親から自立的思考を教えられ続けたんだろうなと、親への感情と他人への厳しさと指摘の鋭さ、そして、癖が強すぎる人からの対応に涙と言う感情が出て高まるから分かる。
    自己肯定感と言うか自己を肯定する表現が無く、他人に責任があると他者否定で精神的バランスを整えているから、何か起きた時は脆さが露呈してしまう。
    他人に責められないようにストイックに働くし、他人に対しての問題点を鋭利な刃物の様な感じで刺しまくる。
    全部自分が攻撃されないようにする為の行動に見えてくる時がある。
    回避型心理の人は、人の一生に起こる生老病死の四苦八苦の時に壊れそう。

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