リクエスト「私をバカにしてくる夫とどう向き合えば良いでしょうか?」
先生
本日はありがとうございました。以下、リクエストです。
夫が、私がカウンセリングを受けると言うと、バカにしてきます。またスピリチュアルかぁ~…と。また、うつ病を弱い奴がなる病気だと言って、こちらもバカにしてきます。
そういうニンゲンとどう向き合えば良いですか?よろしくお願いいたします。
Kさん
リクエストありがとうございます。
ポイントは「バカにされた」という言葉です。
実際にKさんの夫がどんな調子で言ってきたのか、それは分かりませんが、Kさんが「バカにされたと感じた」事が問題な訳です。そして、この文章から伝わってくるのはKさんの【怒り】という感情です。怒りという感情の裏には、実は別の感情が隠れています。その別の感情を感じるのが怖い時に、怒りという感情で蓋をして、別の感情を隠してしまうのです。では、Kさんが感じているその別の感情とは何でしょうか?
おそらく、カウンセリングを受けたいというKさんの思いや、うつ病(を患っていらっしゃるのかどうかははっきり分かりませんが)というKさんのありのままの在り方を、一番理解して欲しい身近な夫に「否定された」と感じている、そこから湧き出てくる悲しみ・不安・寂しさではないかと思います。
また、人の感情は、突き詰めると2つだけだという説があります。それは【愛】と【恐れ】です。悲しみや不安や寂しさといった感情は【恐れ】から派生します。もしかしたら、自分自身の存在を大切な人に受け入れて貰えないんだったら、果たして自分は生きていていいんだろうか…という恐れを、Kさんが抱えているのかもしれませんね。
起こった物事には良いも悪いもありません。それは単なる【事実】です。
私たちはひとつの【事実】に対して、人によって違った受け止め方をします。そして、産まれ育った背景によって、事実に対してどういう反応をするのかというパターンが、だいたい決まっています。人は誰かに何かを言われて傷付くのではなく、誰かに何かを言われた事に対する自分自身の反応に、傷付くんです。例えばKさんの場合で言うと、
「またスピリチュアルかあ~。」「うつ病は弱いやつがなる病気だ。」
と、夫が言った。これが【事実】です。この事実に対して、
「バカにされた!」
と、怒りで反応し傷付くKさんのような人も居れば、
「へえ、あなたはそう思うのねえ。ま、私は違うけど。」
と、怒りで反応せず傷付かない人も居るという事です。
この反応の違いはどこからくるのかと言いますと「無価値観」を抱えているかどうか、という点にあります。無価値感を抱えている状態というのは、自分が自分のことを「私は価値の無い人間です。」と、無意識のうちに思い込んでいる状態のこと。つまり、「私は価値の無い人間だから、バカにされるに違いない。」と、Kさん自身も気付かないうちに、潜在意識で思い込んでしまっているのですね。
では、なぜKさんは無価値観を抱えてしまうようになったのでしょうか?
ひとつは「自分の気持ちを、親に大切にして貰えなかったんじゃないか?」という可能性が考えられます。過去、Kさんの気持ちやKさんのありのままの存在を、親に受け入れて貰えなかったとしたら。子どものKさんは、悲しみや不安や寂しさを常に抱えて、傷付きながら育ちます。一番身近で一番大好きな親に、自分の気持ちを大切にして貰えなかった子どもが、自分自身に価値を感じなくなるのは当然の結果です。それは「価値の無い私は生きていていいんだろうか…?」という恐れにも繋がります。
さて「そういうニンゲンとどう向き合えば良いですか?」
というご質問ですが、答えは「相手ではなく自分自身と向き合いましょう。」です。
Kさんは継続してカウンセリングを受けて頂いているので、親との関係が問題の根っこにあるのは、ご自分でもよく分かっていらっしゃいますよね。ただ、辛い過去は確かにあって、子どものKさんにはどうする事も出来なかったけれど、Kさんはもう大人になりました。相手の言葉にどう反応するか、つまり、自分がどう生きるのかを、自分の責任で決める事が出来ます。
まずは「私をバカにしやがって!夫ムカつく!」と感じた後に「あ~私は悲しくて不安で寂しいんだな~」と、ちょっと俯瞰した目線で自分自身を見て、そんな自分の感情を受け入れて、自分で自分をぎゅーっと抱き締めてあげましょう。そしてここからは、ぜひカウンセラーの手を借りて下さい。
「無価値観を抱えてしまうきっかけとなったこころの傷を癒やす」
「親への執着を手放す」
「自分の価値を感じる為に自己肯定感を上げていく」
「Kさん自身が大人へと成長する」
「親を許す」
「愛されていた自分に気付く」
というような事を目標に、ワーク等様々な手法を取っていきます。そうやってKさんが無価値観を手放せた時に、夫との関係性も変わってくるはずです。パートナーシップは写し鏡ですから、Kさんが変わって夫は何も変わらないということは、まずありません。