彼氏や夫との問題を解決したいなら、彼自身を変えようとしないと決める③④
本日は③の回避型と④の無秩序型のお話です。
まず③の回避型タイプの人は、子どもの要望や感情や存在価値を、全否定したり批判したり拒絶したりしてくる養育者を持っている、ということが特徴です。
養育者は、子どもに対して大変押し付けがましく、恥をかかせることも多いです。
そうすると、子どもは自分の感情を大切だと思えず、また自分自身に価値があるとも思えなくなります。
その結果、子どもは
「人間関係は安心できるものじゃない。」
「他人には頼れない。」
「自分の要望や感情は自分ひとりでどうにかしなくてはいけない。」
というような価値観を形成しながら育ち、他人との繋がりを恐れ、必要以上に自立していきます。
このタイプは、自分自身の感情を大事に出来なくなっているのと同時に、相手の感情も大事に出来なくなっています。
こころを開いて相手が自分のこころの内側に入ってくることを恐れ、また自分も相手のこころの内側に入ることを恐れているので、誰かと親密な関係を築くことが出来ません。
相手と親密な関係を築けないので、こころは孤独感でいっぱいです。
ですがそんな自分の寂しさを認めるなんて出来ないし、その寂しさを相手に伝えるなんて到底出来ません。
寂しさを埋めるために知り合いを沢山作るので一見浮気性に見えますが、全ての相手と一定の距離感を保ち、こころから信頼出来る相手は誰も居ません。
よって、常に寂しく孤独感を抱えることになりますが、相手が興味を持って近付こうとすると激しく拒絶します。
いきいきとした感情の動きを抑え込んでいるので、愛情表現がとても苦手、自分の話をするのも苦手、他人を信じることも苦手、自分の欲求決しては見せません。
クールで感情の無いロボットのようにも見えます。
恋愛夫婦関係に於いても、二人の関係が近付き過ぎることをとても恐れ、相手との距離が近付きそうになると、相手の粗探しを始めたり、相手から嫌われるようなを言動を取ってみたりというようなことを無意識のうちにやって、自分が傷付く前に別れる、というパターンになりがちです。
最後に④の無秩序型です。
過去に、養育者自身が虐待などを受け、大きなトラウマを抱えたままの養育者に育てられた人が、このタイプです。
養育者は自分自身や子どもの感情を感じようとしないし、子どもを守ろうとしないし、子どもに興味がなく要望に対処しようともしません。
逆に、養育者が子どもに助けを求めている場合もあり、本来小さな子どもよりもより大きく、より賢く、より優しいというような、養育者の保護的な役割が、守られるべき子どもの役割と逆転しています。
子どもにとっては、養育者との関係が安心で安全な場所であるべきはずなのに、子どもは養育者を恐れ、養育者もまた子どもを恐れています。
子どもと養育者が、お互いにピストルを突き付けて引き金に指を掛けている状態ともいえ、子どもは身動きが取れずそこからどこにも行けません。
そうやって成長した結果、人間関係を構築していくことは大変難しく、病的な症状を発症する場合もあります。
ただ、このタイプの人は人口の中で割合は少ないと言われています。
実際は、ひとつの型に留まらない場合も多くあります。
基本安定型なんだけど回避傾向がみられたり、相手との相性で不安両面感情型になったりと、常に自分はこういうタイプであなたはこういうタイプだと、はっきり分かれるというものではありません。
また、幼少期の養育者との愛着型が、成長過程の人間関係、例えば、尊敬できる先生や自分を大切にしてくれる祖父母や信頼できる友人などに出会っていく中で、新たな愛着型に変化していくという場合も数多くあります。
さて、4つのタイプを説明してきましたが、あなた自身はどのタイプに近いでしょうか?
また、彼自身はどのタイプに近いでしょうか?
仮に、あなたが彼との関係で悩みを抱えているとしたら、おそらくあなたも彼も安定型ではなく、何とかしたいという想いでこのブログを読まれているのだと思います。
では、彼の愛着パターンを変えれば、あなたの悩みは解決するのでしょうか。
ですが、長年培われてきた愛着パターンを変えるのは、家の基礎をいったん壊してもう一度作り直すようなもの。
プロのカウンセラーでも大変難しく時間も掛かり、しかも「変わりたい」という本人の希望が必要です。
ですから、あなたが彼を変える事は出来ないのです。
それに、彼があなたの圧力に屈して変わることは、まずあり得ません。
そもそも人は自分の好きなように人生を生きて良いのです。
あなたはあなたの人生を好きなように生きていいし、そして、彼は彼の人生を好きなように生きていいのです。
どんな愛着型だろうが関係ありません。
培ってきた愛着型はその人の個性です。
安定型だろうが、不安両面感情型だろうが、回避型だろうが、無秩序型だろうが、いまあなたがそれで良ければそれで良いし、いま彼がそれで良ければそれで良いのです。
ですから、もしいま、彼との関係で「あなたが」行き詰っていると感じているのなら、あなたが変わるしかないのです。
彼を変えようとする事は、彼を支配し、彼を管理し、彼の人生をコントロールするという事です。
考えてもみて下さい。
あなたは誰かにあなたの人生を支配され、管理され、コントロールされる事を望むでしょうか?
あなたらしい生き方を全て無しにして、他人に支配され管理されコントロールされて生きるロボットのような人生を送りたいでしょうか?
それは彼も同じです。
夫婦や恋人同士であろうとも、あなたは彼の人生を支配することは出来ないし、彼もまたあなたの人生を支配することは出来ません。
あなたと彼の人生は決して同じではありません。
大事なのは、あなたはあなた自身の生き方を大切にし、同じように彼の生き方もまた、尊重することです。
そうやって、自分の人生とパートナーの人生は別物だということをしっかり認識し線引きした上に、健全な恋人関係や夫婦関係が成り立つのです。