私たちは自分が思う通りに相手に愛して欲しいから、それが出来ない相手に不満をぶつけたり不安になって自爆したりします~愛し方の違いを受け入れる~
私たちは人間は、幼少期に「人の愛し方」を学びます。
多くは、お父さんとお母さんがどういう風に愛し合っているかをお手本にしますが、他にも、お父さんの家族への接し方だったり、お母さんの家族への接し方だったりから、愛を学ぶ場合もあります。
ですから、みんなが一様に同じ愛し方をするはずもなく、愛し方というのは人それぞれになります。なのに、私たちはどうしても
「私が思う通りに愛して欲しい。」
「私と同じ愛し方で私を愛して欲しい。」
と、相手に求めるもの。そうすると、自分の思う通りに愛してくれない相手に対して、
「私は愛されていない。」
「私のことは好きじゃないんだ。」
「私は親に愛されてこなかったんだ。」
なんて思い込んで、不安になって自爆したり、相手と喧嘩したり、距離を置いたり、別れたり、そうやって自分を苦しめ続けてしまいます。ですが、本当にあなたは愛されてないのでしょうか?
考えてみてください。
例えば、
「お母さんがいつもいつも私のやる事に口出ししてきて嫌だった。お母さんは自分勝手。私の気持ちなんかどうでもいい。だから私はお母さんに愛されてこなかった。」
お母さんは、あなたが不幸にならないか心配で心配で堪らないから過干渉になるのです。それが良いか悪いかは別として、過干渉はお母さんの愛です。
例えば、
「お父さんは高圧的で、気に入らないことがあるとすぐ怒る人だった。私の話を聞いてくれない。だから私はお父さんに愛されてこなかった。」
確かに高圧的なお父さんかもしれないけれど、あなたが進学するために、何も言わずにお金を出してくれましたよね。それはお父さんの愛です。
例えば、
「『私のこと好き?』って彼に聞いても、彼は応えてくれない。次のデートの約束も「仕事が忙しくて今すぐ決められない」って言うし、お店の予約もしてくれなくて行き当たりばったり。私は愛されてないのかも。」
だけど彼は、連絡はちゃんと返してくれるし、毎週会おうと努力してくれてますよね。あなたのお誕生日には旅行に連れて行ってくれました。それらの行動は彼の愛です。
全部、あなたの愛し方と相手の愛し方が違うだけ。
言葉で愛を表現するタイプ
お金や物を与えることで愛を表現するタイプ
スキンシップで愛を表現するタイプ
相手を心配して愛を表現するタイプ
相手の希望に合わせることで愛を表現するタイプ
相手の意志を尊重して黙って見守ることで愛を表現するタイプ
など、愛情表現の仕方は本当に人それぞれです。大事なのは
「そんな愛し方は要らない!」って受け取り拒否するのではなく
「そうやって私を愛してくれてたんだね。ありがとう」って、相手からの愛を受け取ることです。そのためにまずは
「私はどういう愛し方をするタイプかなあ?」
って書き出してみましょう。そして次に
「あの人(家族やパートナー)はどういう愛し方をするタイプかなあ?」
って書き出してみましょう。
そうして、自分と相手との愛し方の違いが見えてきたら、そこにきちんと境界線を引きます。すなわち「私は私。あの人はあの人。」と、2人の間にしっかり線を引くのです。
「私の思う通りのやり方で私を愛して!」
と一方的に相手に押し付けるのは、相手の意志をコントロールしようとすることです。それは愛ではありません。境界線を引いて、
「私は私の愛し方で良いし、あの人はあの人の愛し方で良い。」
と受け入れることが出来れば、次のステップに進むことが出来るようになります。