赤ちゃんの愛着パターンとそれぞれの養育者の特徴

以前愛着理論についてお話しましたが、さらにそこからもっと詳しくみていきましょう。養育者がどのような行動をとった結果、赤ちゃんはどのような愛着パターンをもつようになるのか。一般論として次のように言われています。

1.安定型赤ちゃんの養育者

このタイプの赤ちゃんの養育者は、養育者自身が安定しています。赤ちゃんにとって養育者は、自分が必要な時にそこに居てくれて助けてくれる存在です。自分(赤ちゃん)と養育者の関係性について不安を感じる事が少ないので、赤ちゃんが安心して自分自身の感情を感じる事が出来ます。また、赤ちゃんが自分自身の感情を他人に伝える事を、恐れません。

2.不安両面感情型赤ちゃんの養育者

このタイプの赤ちゃんの養育者は、自分(赤ちゃん)が必要な時にそこに居てくれて助けてくれる事もあれば、居てくれなかったり助けてくれなかったりする事もある存在です。つまり赤ちゃんにとって養育者の存在は不安定で予測がつかないので、いつまでたっても安心感を得られません。そうやって育てられた結果「人は、自分が必要な時に傍に居てくれるかもしれないし、居てくれないかもしれない。」というような、大変不安定な愛着のパターンが出来上がってしまいます。そして「色んな方法を駆使して相手を引き留めないと、自分は独りぼっちになってしまう。」「ありのままの自分では人に愛されない。」というような価値観を持つようになってしまいます。人間関係に於いての不安が高いので、どんなに親しい人が居たとしても不安は収まりません。

3.回避型赤ちゃんの養育者

このタイプの赤ちゃんの養育者は、自分(赤ちゃん)の要望や感情や存在価値を全否定したり、批判したりします。そうやって育てられた結果、自分の感情を大事に出来なくなると同時に、他人の感情も大事に出来なくなってしまいます。そうすると、感情を抑え込み密な人間関係を築く事を避け「決して他人には頼らない。自分(赤ちゃん)の要望や感情は自分ひとりでどうにかしなくてはいけない。頼れるのは自分自身だけ。」というような愛着パターンが出来上がってしまいます。

4.混乱型赤ちゃんの養育者

このタイプの赤ちゃんの養育者は、過去に養育者自身が大きな傷を受けてトラウマを抱えています。そしてそのトラウマは解消されていません。そうすると、自分(赤ちゃん)が養育者を必要として近付くと養育者に怖がられたり、逆に養育者が自分(赤ちゃん)を怖がらせたりします。そうやって育てられた結果「人にも頼れないし自分にも頼れない。」となり、赤ちゃんは感情の行き場が無くなってしまいます。また、自分自身(赤ちゃん自身)の感情調節の仕方も学べません。なので、乖離(かいり)という、自分の感情を感じない方法を使うようになる事が多くあります。

参考文献:感情を癒やす実践メソッド 花川ゆう子著

赤ちゃんと母親

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